高血圧

血圧とは、血液が心臓から押し出され血管を流れる時に血管の壁にかかる圧力。血管の壁が固すぎたり、狭くなると血液は流れにくくなるので血圧は上がり、心臓の負担は大きくなります。

高血圧とは

日を替えて2回以上測定した血圧の平均値で評価します。(WHO分類)

正常 収縮期血圧 130mmHg未満
拡張期血圧 85mmHg未満
高血圧 収縮期血圧 140mmHg以上
拡張期血圧 90mmHg以上

※血圧は病院で測ると(特に医師が測ると)高く出る場合があります。
自宅でも血圧を測定し記録しておきましょう。

症状

全く症状のない方から頭重感、肩こり、めまい、疲労感など 症状は様々です。また、心臓に負担がかかっている自覚症状として動悸、息切れ、胸部圧迫感などがあげられます。

合併症

高血圧が長く続くと動脈硬化を起こします。その結果、脳梗塞や心筋梗塞、腎機能低下が起こりやすくなります。

生活習慣の改善

血圧をコントロ-ルするためにまず生活習慣を見直しましょう。これらは薬物療法を必要とする患者さんを含め、全ての患者さんに実行して頂きたいことです。

食事療法

・適正なエネルギ-量の摂取
・アルコ-ル摂取の適量化
・塩分の減量
・肥満の是正
・運動増進
・禁煙
・ストレス解消

リスク高める高血圧

高血圧というのは、単に血圧が高いだけの状態ではありません。高血圧患者の半数がメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)に罹患しているともいわれており、肥満をベースに多少の高血圧でも、心臓病や糖尿病を発症するリスクが何倍も高まることが解ってきました。メタボリックシンドロームの病態が明らかになるにつれ、新しい治療戦略が求められつつあります。

高血圧は現在日本で3500万人ともいわれています。つまり3~4人に1人の国民病です。
要因は、ライフスタイル・肥満増・運動不足・高齢化などで、自覚症状がないため放っておくと脳・心・腎の合併症を生じるので、サイレントキラー(沈黙の殺し屋)とも言われています。
その高血圧治療の最大の目的は、心血管系の発症とそれによる死亡を抑制することにあります 。肥満をベースにほんの軽い高血圧でもメタボリックシンドロームに陥る危険があることが解ってきており高血圧の人が「ベルトの穴ひとつ」大きくなっても大変危ないのです。
また、内臓脂肪が心筋梗塞や脳卒中を起こすメカニズムも最近わかってきました。脂肪組織は単なるエネルギーの貯蔵庫ではなく、今やひとつの大きな内分泌臓器ととらえられます。この脂肪組織が肥大化すると、インスリン抵抗性を高めるホルモンや血圧を上昇させる酵素が分泌されその結果、インスリン感受性が低下し、血圧ばかりか、糖や脂質も代謝異常になりメタボリックシンドロームが発症するのです。

今や高血圧治療は、内臓脂肪・インスリン抵抗性まで深く考慮する時代となってきました。高血圧の患者さんにメタボリックシンドロームの肥満が加わると、将来、必ずといっていいほど糖尿病を発症します。そして、高血圧治療中に糖尿病を合併すると、更に心筋梗塞などを起こす確率が約3倍高くなります。そのため、まだ発症していない段階で食い止めるのが最も大事であり、その為には一人一人が自分自身の生活習慣を見直してみることが第一歩といえるでしょう。
まずは食事(減塩)・運動療法(汗ばむくらいの歩行や30分の早歩きなどの有酸素運動)を行いましょう。体重が10Kg減少すれば収縮期血圧が約12mmHg下がるといわれています。「ベルトの穴ひとつ」減らすだけでも、大きな見返りがあるというわけです。