骨粗鬆症
現在、わが国は高齢化社会に突入しています。平均寿命も伸び、65歳以上の人口は、総人口の16%を占めます。それに伴い、骨粗鬆症患者数も年々全国的に増大し、現在1800万人(総人口の15%)と類推され、50歳以上の日本人女性では、25%を占めるとされています。
骨粗鬆症自体は、「骨がすかすかになる」状態のことを言います。いわゆる、「骨が弱くなった」状態で、これにより骨折しやすくなります。また、問題は、その後、痛みのせいで活動しなくなり、寝たきりになってしまう恐れがあるということです。
ですから、骨粗鬆症の治療は、単に薬の投与による「骨量の増加」だけでなく、これを踏まえて理学療法・運動療法による「骨折の阻止」が必要であり、さらには「骨折を阻止することによって活動範囲・生活レベルの向上」を目指すことであると考えます。
当院専門外来では、問診による痛みなどの症状、診察による理学的所見、検査(骨密度検査、血液検査・尿検査など)による判定、などの結果から総合的に判断し、正確な診断を行っています。
また、痛みなどの症状のない人であっても50歳以上であれば、骨粗鬆症専門外来受診をお勧めします。

- 加齢など生体の変化に伴い発症するもの(例えば、閉経後のホルモンの低下による閉経性骨粗鬆症、骨を作る細胞数の減少による老人性骨粗鬆症)
- 他の病気などで骨の代謝に影響を与え発症するもの(例えば、関節リウマチ、糖尿病、甲状腺機能亢進症など)が挙げられます。

上述のように、外来での検査から原因診断、治療、という流れになりますが、これには、厚生労働省から指針(ガイドライン)が提示されていて、これに従って治療を行います。
治療は、上記の図のようなものがありますが、治療の過程で、どうしても骨密度の数字ばかりに目を奪われがちです。ですが、さらに重要なのは、骨折の予防です。骨粗鬆症に伴う骨折の発生は、骨密度の低下のみでなく、運動機能の低下も原因となります。
運動療法を含めた理学療法は、運動量の低下に伴う骨量の減少を予防し、運動機能および筋力の改善を行い、転倒の予防につながります。
また、運動療法の効果は、即効的でなく長時間の持続により発揮されます。当院では、骨粗鬆症治療として、運動療法を中心としており、骨粗鬆症体操や転倒予防教室などを定期的に開催・指導しています。
1998年、骨粗鬆症治療薬に関する情報を客観的立場から評価・整理するため、初めて国が主導となった「骨粗鬆症の治療に関するガイドライン」が作成されました。
その後、骨粗鬆症に対する研究が進み、治療が大きく進歩しました。そうした状況のもと、今回、「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2006年版」が発表されました(骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン作成委員会による)。ここでは、診断、予防、薬物療法をはじめとした治療全般の進め方について解説されています。今まで、割と、全国の各医師それぞれの考えに基づいた診断、予防、治療が行われてきましたが、今回一応、骨粗鬆症に対する取り組み方の指針を示されたことになり、全国的に統一されたことになります。
内容に関して、次回から、少しずつ、提供していきたいと思います。




