2023年2月4日(土)

高齢者は注意 手首の骨折について

日本では高齢化が進み、令和4年では高齢者の割合も29%を超えて約3.3人に1人が65歳以上となっており社会的にも深刻な問題となっております。

コロナ渦で高齢者の外出も減り、運動習慣も減り、日光を浴びる期会も減っているため骨粗鬆症も加速しております。

骨粗鬆症になると、骨の密度が減りちょっとしたことでも骨折となるリスクが高まってしまいます。特に、骨を作る細胞は女性ホルモンによって活性化するため、閉経後の女性は骨粗鬆症リスクが高くなります。

高齢者に多い骨折の種類

  • 脊柱圧迫骨折(背骨の骨折)
  • 橈骨遠位端骨折(手首の骨折)
  • 大腿骨頚部骨折(股関節部の骨折)
  • 上腕骨頚部骨折(肩関節部の骨折)

今回は手首の骨折『橈骨遠位端骨折』についてご紹介したいと思います。

『橈骨遠位端骨折とは』

橈骨遠位端骨折とは、前腕の2本の骨の親指側の骨、「橈骨」のより手首側の骨折の事を言います。

受傷機転は、転倒して手をついた時に発生する事が多いです。

これは年齢が上がる事で骨蜜度が低くなること以外にも、転倒時に自分の体重と地面からの反作用による剪断ストレスと、前腕回旋による回旋ストレスが合わさって大きなストレスとなります。

橈骨の中でも力学的なストレスがかかりやすい部分でもある事から、若い世代でもよく見られる骨折です。

治療方法

(※徒手整復)→固定→リハビリ と治療していきます

※骨折部の転移が大きい場合(骨折のズレが大きい)場合、安全に徒手整復を行います

固定は手関節~肘関節までのSugar tong固定、仮骨の状態によって、前腕ギプス固定→シャーレ→サポーター固定へと変え、約4~8週固定をします。

骨折の状態によって徐々に固定を外していき、リハビリを開始して日常生活へ復帰できるよう手首の動きを出していきます。

後遺症について

橈骨遠位端骨折ではしばしば後遺症が出る事もあります。

しかし、ほとんどの場合は鎮痛薬やリハビリで症状寛解しますが、小児骨折でおこる成長軟骨板損傷による成長障害、変形癒合による関節障害、長母指伸筋腱断裂等など日常生活に支障がでるようなものは手術となる場合もあります。

 

 

今回は高齢者の転倒による骨折としてご紹介しましたが、このシーズンになるとスキーやスノーボードで転倒してこの骨折をする若者も増えています。

高齢者だけでなく、年齢層も幅広く起こるので、転倒には注意しましょう!