2023年6月15日(木)

運動器検診で側わん症と言われた 

小学校や中学校では、運動器疾患を早期発見・治療のために検診を行っています。

当院では運動器検診で再検査と言われたお子様の診察を行っています。

今回はその運動器検診で「側わん症」について指摘されたら、どうしたらいいのかについてお話したいと思います。

 

側わん症(そくわんしょう)とは?

側わん症とは、背骨が左右に曲がる状態を指す疾患です。

通常、成長期の子供に見られる、特発性側弯症は原因不明の場合がほとんどで、家族歴や遺伝要素、不良姿勢等の生活習慣も考えられています。

 

側わん症の症状

  • 背中の非対称性: 片方の肩や骨盤が反対よりも高く見える、前屈をした時の背中の膨隆がある、などがみられることがあります。
  • 背中の曲がり: 背骨がS字型に曲がり、側わんが生じます。
  • 身体の不均衡: 姿勢の変化により、体重のかかる部分に負担がかかり、首や腰に痛みがでます。

側わん症の診断までのながれ

  1. 運動器検診:生活上での痛みの訴え、アンケートや医師が姿勢や背骨の曲がり具合をみて、医療機関での受診が必要か判断します。
  2. 再検査の場合:医療機関を受診して詳しく状態確認をします。
  3. レントゲン: 背骨の曲がり具合や骨の状態をより詳しく確認します。
  4. 診断:状態やレントゲンの結果から側わん症と診断されます。

 

側わん症の治療

当院では、側わん症の度合いによって治療が必要かどうかを判断します。

  • 経過観察: 軽度の側わん症の場合、成長期において進行する可能性が低いため、経過観察が行われることがあります。
  • 保守的治療: 側わん症の進行を抑えるために、当院では理学療法によるリハビリを行います。
    バランスの悪くなった筋肉のトレーニングやストレッチ、姿勢の矯正などで、身体の使い方のくせを正します。
  • 外科的治療: 重度の側わん症の場合、身体に重大な影響を与えることがあります。
    その際は当院より専門的な医療機関へ紹介し、専門的な治療が行われます

 

側わん症の予防

側わん症の予防には、以下のポイントがあります

  • 正しい姿勢の保持: 日常生活で正しい姿勢を保つことが大切です。デスクワークやスマートフォンの使用時には、背筋を伸ばし、肩の位置に注意しましょう。
  • 適度な運動: 背筋を強化するための運動やストレッチを取り入れることで、姿勢を改善することができます。
  • 定期的な健康チェック: 定期的な健康診断や姿勢のチェックする、早期発見や適切な対策を行うことができます。

近年スマホやゲームが普及して、姿勢の悪いお子様も増えてきております。

少しでも姿勢が気になる、痛みを訴える場合や、運動器検診で指摘があった場合はすぐに医療機関へ受診するようにしましょう。