2023年7月20日(木)

五十肩は自然と治る?

よく診療をしていると「五十肩は自然と治ると聞いたから様子を見ていた」という患者様が多いです。
皆様も周りから「五十肩は自然と治るよ」と聞くことが多いと思いますがそれは本当なのか?と聞かれます。

結論から言うと「治らない人も多い」です。

 

 

なぜ治らない人と治る人がいるのか。

まず、一つ目は五十肩の診療において「治るの定義」「動きの制限」「痛みの有無」になるので患者様によって価値観が変わることで原因です。

例えば、2人の患者様がいます。

Aさんの場合、デスクワークが中心で腕を大きく上げる必要がない。このような方は腕が最後までバンザイできなくても痛みも感じる場面もなければ、動きの制限を感じることもありません。その場合、多少の動きの制限が残っても、Aさんの場合は「治った」という感覚に患者様自身は感じるはずです。

しかし、Bさんの場合、電気工事を仕事にしている方で仕事上、腕をバンザイできないと仕事になりません。
このような方の場合はAさんと同様に多少の動きの制限が残ってしまうと痛みがあり、仕事に支障が出てしまいます。そうすると「治っていない」という感覚に患者様自身は感じるはずです。

このように人によって、「治った」「治っていない」という価値観の違いから「治る人」「治らない人」がいることが起きます。

 

そして、二つ目は「五十肩」というのはあくまでも通称で腱板損傷という筋肉の腱を痛めているという病気が隠れているということ。

五十肩は正式名称では「肩関節周囲炎」という名前になります。
名前の通り、肩関節の周りで炎症を起こしているのが病態になっているため、肩関節のどこで炎症を起こしているのかで大きく治り方が変わってしまうのです。ちなみに40代、50代で好発するため「五十肩」「四十肩」と名前がつけられているので、何歳でもこのような呼び方になります。

肩の筋肉の損傷がある場合だと、傷の入り方によっては良くなりづらいケースが存在します。
そのため、五十肩という名前でも一人一人状態が変わるため、一括りで五十肩は自然に治るとはいえないのです。

 

 

 

結局、五十肩は病院に行った方がいいの?

1ヶ月症状が変わらない肩の痛みや動きの制限の場合は、早めに家の近くの整形外科にかかることをお勧めします。より早い時期に治療が行えれば、余計な肩関節の硬さを作らなくて済むため、もちろん治りも早い方もいます。

 

当院の理学療法士が肩の夜の痛みについて解説していますので、夜痛くて困っている方はこちらを見ても良いかもしれませんね。