2023年9月22日(金)

歩く時によくつまずく

先日診療を行っていると、50代の女性が「歩く時によくつまずくんです」とお話がありました。
歩く時のつまずきは、バランス能力の低下が考えられます。原因となるのが神経の問題(特に脳)、筋力不足などです。

今回の方は脳に問題を抱えているような感じではなく、入室してきた時は体を左右に振って歩くような形でした。足がO脚になっており、膝や股関節に問題があるのではないのかなと思いました。

レントゲンを撮るとその関節にも大きな問題はなかったのですが、ご本人から「足の長さが昔から違う気がする」とお話があり、理学療法士のリハビリをオーダーしてインソールをお願いしました。

今回は足の長さの違いよる体への影響をお話しします。

 

 

 

足の長さが違うって何?

足の長さが違うのには

  • 足そのもの長さが違う。
  • 膝、股関節の変形で長さが違う
  • 腰骨の変形などで骨盤の高さが変わって長さが違う

実際に足の長さを測ると「足そのものの長さは同じ」だが目で確認すると長さが違うことも十分にあります。
なので、一言で「足の長さが違う」といっても、原因が様々です。

 

 

足の長さが違うことと何か悪いことがあるの?

足の長さが違うことで1番気がかりなのは、その長さの違いをカバーすることで他の部分へ負担が増えて痛みが出現したり、違う部分がより変形を起こしてしまったりします。

今回の方のように、実際にふらつきや歩きにくさを訴えてくる方もいらっしゃいます。
実際に、昔に膝を痛めてから、膝が伸びなくなってしまった。その分、片方の足が短くなり、そのまま生活を送っていくうちに、違和感を覚え始めたとのこと。

 

 

対処法はあるの?

足の長さを揃えることはリハビリだけでは難しいです。しかし、足の長さを同じにしなくても症状や違和感が消える場合もあります。
例えば、短い足の方に一枚だけインソール(中敷)を足してあげると足の長さが近づいて違和感が軽減してきます。その状態で歩いたりすると、今まで使えていなかった筋肉などがしっかりと使えるようになり、自然と違和感などが消えてくることがあります。今回の方もインソール(中敷)を一枚入れて生活してもらったら今まで感じていた違和感が消えてきたとおっしゃってしました。

その時の注意点として足の長さが3cm違うからインソール(中敷)をその分たくさん入れると、すごい違和感になります!足の裏は小石が入っていても、すごく違和感感じますよね?それくらい敏感な場所なのでいきなり持ち上げすぎると違和感になります!

まずは薄いものでも十分変化が感じられるかなと思います!

 

 

気をつけなきゃいけないもの

子供の足の長さの違いは、まだ骨が成長しますので、特別な対処が必要です。

神奈川県立こども医療センターさんがわかりやすく書いてくれていますのでご参考にしてみてください。

下肢長不等|神奈川県立こども医療センター